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月夜の歌姫

第70章 妖魔軍王とバニーガール


サラン…あなたのことはとても大切な人だと思っているわ

一人の女性として、アタシはサランが好き


焚き火の火に隠れて顔が見えない。
もう少しで何か大事なことを思い出せるのに。

早くしないとそれすらも手から離れてしまう。

(お願い…!待って!)

そうだった…。忘れたくても忘れられない人がいる。


『月…そうね。寂しい夜に優しく照らすあなたみたい』

『でも月は一人ですよね
ただ夜空に一人浮かんでいて』

『でも太陽がいるわ!
月は太陽に反射して輝いているのよ』

『そしたら私にとっての太陽は…』

そうだ…。あの人は月みたいだって言ってくれた。
月のような真珠が埋め込まれたお守りを私に渡して

『サラン、左手を貸して?
みんなと一緒に魔王ちゃん倒して世界を笑顔にしましょう』

お守りの中から真珠の指輪を取り出したあの人。
太陽のように明るく優しく笑う彼の顔がはっきり見えた。
そうだよ…いつもそばにいた彼のことを忘れるわけがなかった。





シルビアさん





「ダメぇぇぇ!」

突然サランの悲鳴とも近い声が響いた。
その声に周りにいた全員が驚き檻に目を向ける。

「サラン…?」

「無事じゃったか!?」

サランは息を切らし指輪を取られまいとマルティナの手を払い除け彼女から距離を取る。

「ちっ…余計なことしたわね。」

マルティナは指輪に触れたことがきっかけでサランに正気が戻ったことを誤算だったと思った。

「ぐぬぬ、おのれ〜マルティナの妖気を跳ね返すなんて!」

ブギーは悔しそうに檻の中にいるサランを見つめた。


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