第70章 妖魔軍王とバニーガール
マルティナも立ち上がり武器を構える。
「優しくブギー様の良さを教えてあげたのに
酷い屈辱ね…?」
「……」
サランはマルティナの言葉が聞こえなかったかのように目を閉じた。
何度でも思い出す。
あなたのその笑顔
守りたいものがある
愛しい人、私の大切な人
誰にも奪わせない
私の想いも記憶も
何度でも想い出す
たとえあなたがそばにいられなくなっても
歌い出すとサランに翼のような光が生えて辺りを包み込むような優しい光を放つ。
「な!?なんだなんだ!?眩しいぞー!」
ブギーが眩しさに目がくらむ。
「シルビア!今がチャンスだ!」
グレイグがシルビアに叫ぶとシルビアも頷く。
2人は息を合わせ同時に剣をブギーに振り落とした。
大魔神切り
ブギーは後ろによろめいた。
「うぐぐぅ…もうダメだ!
身体中、痛くて力のコントロールがうまくいかないじょ!」
ブギーがバタリと倒れると従業員にされていた魔物は人間の姿に戻っていく。
サランとマルティナを囲っていた檻も消え、マルティナはいつもの姿に戻っていた。