第69章 名物ディーラーマルティナ
サランは大きく薙刀を振るマルティナの隙を伺う。
元々武闘をしているマルティナにサランはなかなか近づけなかった。
(全く隙がない…どうしよう)
「サラン?大丈夫?」
後ろに下がってきたサランをシルビアは優しく受け止める。
「シルビアさん…すみません。つい…」
「大丈夫よ!マルティナちゃんを連れていきましょ!」
「はい!」
マルティナはやれやれと言ったようにため息をつく。
「何度も言わせないで。アタシはブギー様とこのカジノを盛り上げていくつもりだって。
例えば…こんな感じに?」
グレイグに向けてぱふぱふを仕掛けた。
「ひ、姫様!?」
グレイグは驚きと戸惑いが混ざり固まってしまう。
「グレイグ!しっかりして!」
シルビアがツッコミを入れるとすぐさま正気を取り戻した。
「シルビア、すまない。助かった。」
「くっ…可愛がってあげるわよ。こんな風にね!」
マルティナはサランに向けて蹴り何度も蹴りをしてくる。
「きゃあ…!うぅ…」
倒れ込むサランにシルビアとブレインが駆け寄る。
「サラン!」
「大丈夫ですこれくらい」
口元を切ったのかじんわりと血の味がする。
それでもサランは立ち上がった。
「よそ見してていいのかしら?」
サランの様子を見守るグレイグにマルティナのヒップアタックが入る。
しかしグレイグはひらりと避けた。