第69章 名物ディーラーマルティナ
マルティナに対してブレインが素早い動きで剣に捉える。動きが遅れたマルティナの身体に食いこんだ。
「あ…うぅ…」
ようやくバタリと倒れるマルティナにホッと一息ついた。
「ふぅ…ようやく大人しくなってくれたか。
これで目を覚ましてくれればいいんじゃがのう…」
サランはマルティナに駆け寄り体を揺する。
「マルティナさん?マルティナさん?」
マルティナは完全に気を失っているようだった。
そこへ汚らしい声が足音と共に響く。
「困りますなぁお客さん。
うちのNo,1ディーラーをいじめてもらっちゃ…」
裏手から大きなお腹を揺らしブギーが現れた。
「泣かせた女は数知れず…
最強のキングオブモンスター
妖魔軍王ブギー様、参上だじょ!」
妖魔軍王ブギーという言葉にシルビアが目を細めた。
「こいつが六軍王の1人ブギー…
グロッタの町をこんな風にした張本人登場ってわけね?」
ブギーは倒れているマルティナとマルティナのそばにいるサランに目を落とす。
「んん!?おぉー!
ぼくちんの子猫ちゃん!?
それに銀に輝く瞳と髪!細くしなやかな体つき!
んふー!ぼくちんのタイプとは違うけどペットとして僕ちんの傍に来ることをおすすめするじょ!」
サランは困ったようなすごく嫌だなという気持ちが顔に出ていた。
「様々な六軍王と出会いましたがあなたのように下品な六軍王もいるとウルノーガの人選ミスが凄まじそうですね…」
サランの言葉にブレインたちはぽかんとしたあとクスクス笑った。