第69章 名物ディーラーマルティナ
マルティナはうんざりした顔でサランに蹴りを入れた。
「きゃっ…!?」
サランは辛うじて急所に当たらぬように短剣で蹴りを塞いだが威力が強かったのか後ろに飛ばされた。
「サラン!大丈夫?」
ブレインがサランを受け止める。
「あのね?アタシはあなたの歌も打倒ウルノーガなんて興味ないって言ってるの。
アタシが興味あるのはこのカジノを作ったブギー様だけ
アタシの身も心も六軍王ブギー様のものなのよ。
だからあんた達にはついて行かないわ
……そうだわ。あなたもブギー様のために歌えばいいのよ。いいショーガールになれるわ?
ブギー様とアタシと一緒にこのカジノを盛り上げましょう?」
「誰がなるもんですか!
だったらそのブギーを倒します!」
「サラン落ち着きなさいって
そんなに感情的になってたら相手の思うつぼよ?」
どうどうとシルビアがなだめに入る。
グレイグが我慢しきれなくなったのかいい加減にしろと叱咤した。
「こんないかがわしい場所なんて
気高き姫様には相応しくない!」
肩に触れようとするとマルティナはグレイグに回し蹴りをお見舞した。
グレイグは防御の体制を取ったが跳ね返されブレインたちの元に戻ってきた。