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月夜の歌姫

第69章 名物ディーラーマルティナ


サランの声が聞こえたのかマルティナはサランを向く。

「あら?こんなやついたかしら?
あーそう言えばもしかして金切り声がうるさいサラン?」

「金切り声って…
マルティナさんどうしちゃったんですか?
ほんとに!下品ですし!みっともない!
見てて恥ずかしいです!」

「芋臭いアンタに言われたくないわ〜?
ぴよぴよそこら辺でさえずってなさい?
歌姫だかなんだか知らないけど騒ぐことしか脳がないんだから。」

プチンとサランの何かがキレた。
サランは1度下を向き肩をふるわせた。

「ちょ、ちょっとサラン?
落ち着いて?」

シルビアの説得も怒るサランには届かなかった。

「そうですか?じゃあお望み通り金切り声でさえずりましょうか?」

サランの銀の瞳が輝きを帯びる。
スゥっと息を胸いっぱい吸うと本当に歌い始めた。


我ら見守る命の大樹よ
輝きを取り戻しにいざ参ります
我らを見守る女神様
どうか我らをお守り下さい
悪しき心の闇を払い
世界に
私にどうかお導きを


サランは得意のソプラノを駆使し歌う。
その歌声を聞いたマルティナは苦しみだし頭を抱えた。

「なっ……うぅ!やめなさい!
頭がおかしくなる!」

「やめないわ!絶対に!」

さらに息を吸いAhー!と高い声を出す。
力が宿っているのか周りにいたディーラー魔物や客の魔物も苦しみ出した。

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