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月夜の歌姫

第69章 名物ディーラーマルティナ


ひっ…姫様!?

と情けない声を上げたのは他でもないグレイグだった。

「あら?グレイグじゃない?
あなたみたいな頭でっかちでもこういう所に来るのね?」

マルティナは妖艶に笑うとグレイグに近づく。

「ウフフ、あなたも刺激が欲しいのね?
たーっぷりサービスしてあげるからアタシと一緒に
あ・そ・び・ま・しょ?」

マルティナの様子にグレイグはたじたじだった。
完全にマルティナのペースに飲まれている。

「ひっ…ひっ…姫様!?
な…なんとはしたない!!」

堅物グレイグに呆れたのかマルティナはため息を吐いた。

「グレイグ、あなたってほんとにウンザリするほどマジメな男ね?
忠実なだけなら犬でもできるわ。」

サランがシルビアにこそりと耳打ちした。

「マジメじゃない忠実ってあるんですかね?」

「うーん…アタシが知る限りなかったと思うわ?」

マルティナが腰に手を当て前のめりになる。
どうやら2人の話は聞こえてなかったようだ。

「ねぇ?アタシのイヌにしてあげましょうか?
世界で1番幸せなペットにしてあ・げ・る♡」

マルティナの様子にみんな、明らかに引いていた。

「なんとハレンチな!
一体どうしたんじゃ!?マルティナ!
今は冗談を言っている場合じゃないぞい!
打倒ウルノーガの信念を貫くためわしらにはお主の力が必要なんじゃ!
さぁ!わしらともう一度旅を!」

マルティナはロウの説得もうるさいなぁと一蹴する。

「相変わらずね。楽しい雰囲気がシラケちゃうじゃない。
いい?打倒ウルノーガなんて興味無いわ。
こんな世界もっと壊れちゃえばいいのよ。」

「そんな!?」

我慢出来ずサランの声が上がった。



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