第68章 カジノの町グロッタ
シルビアはしばらく教会で聞き込みをしたらしくサランの元へやってくると浮かない顔をしていた。
「マルティナちゃんがハンフリーちゃんたちと戦いに行ったきり戻ってこないままカジノが出来たらしいわ。」
「え?それって…」
「分からない、でも良くないのは確かね。
早くみんなのところに行ってこのことを知らせなきゃ。」
サランはラァラに向き直った。
「ラァラちゃん。絶対に何があってもここから出ないって約束して。
私、1度そのカジノでハンフリーさんたちを探しに行くから。」
「え、サランお姉ちゃん?
やだ!私も行く!コーアも探しに行きたい!」
「ダメ!」
サランにしては珍しく険しい顔になる。
しかし直ぐにいつもの優しい笑顔になった。
「必ずみんなを連れて帰るから。
でも本当に戻って来なかったら私達を探しに来て?
いい?」
サランは絶対に魔物がいなくなるまで出て欲しくないと思った。
ラァラはこくりと頷きサランを見つめる。
「分かった…絶対だよ?戻ってこなかったら探しに行くから!」
サランは力強く頷きサイデリアを見た。
「分かってる。私も腐っても武闘家だから。
ここにいる人たちは守ってみせる。」
「ありがとうございます。シルビアさん。」
シルビアも考えは同じだったらしく決意ある笑みを浮かべる。
「えぇ、行きましょう!カジノに!」
2人は教会を出てからカジノへ向かった。