第68章 カジノの町グロッタ
町では確かに魔物は襲ってこなかった。
それどころかサランの近くを通ると少しばかりか苦しみ出す者もいる。
教会が近くなる頃、バタリと倒れている魔物を見る。
「なんで魔物がそこに倒れて?」
サランが言い終わるか否か魔物が声を上げる。
「その家から禍々しい聖なるオーラが溢れてこれ以上近づけないうぉえ…
や、やめろ!お、おまえ!俺に近寄るな!」
その様子を見ていたシルビアが何かを察した。
「そっか!魔物は女神様の力で教会に入ってこられないのね!それにサランは女神様の加護の力が少しあるでしょ?だから魔物は寄ってこられないのね!」
2人は教会へと入っていく。
教会にはサイデリアという武闘家がいた。
「あら?あなたは武闘会の?」
サイデリアはシルビアに気がついた。
「もしかしてレディ・マッシブ?」
「えぇ、驚いたわ。あなたは無事なのね?」
「あぁ…大樹が落ちた直後、いきなり魔物の大群がグロッタの町に押し寄せてきたのさ。
私たちは防戦一方だったんだけどマルティナさんが来てから闘志たちはみんなで反撃に出たんだけど。
あたしはいくじなしだったから一緒に戦えなかった…
この教会でみんなの無事を祈るしかなくて…
みんなもそれっきり帰ってこないし…」
サイデリアは悔しそうな表情を浮かべる。