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月夜の歌姫

第68章 カジノの町グロッタ


ロウは訝しげな表情をする。

「魔物が運営するカジノとな…
なんだか怪しいがマルティナがいるかもしれん。
ひとまず、2階へ行ってみるとしようかの。」

「あ、あの…私は別行動でもいいですか?」

「サラン?しかしここは魔物も多い。
いつどうなるか分からぬ。
単独行動はまずいのではないかの?」

そこへシルビアが1歩前に出た

「サラン、あの子たちが気になるのね…?」

シルビアの優しい顔に小さく頷く。

「ロウちゃん。アタシがサランと行動してもダメかしら?」

ロウは少し考え髭を撫でた。

「うぅむ。それなら仕方あるまい。
ワシらは先に2階へ行こう。」

ブレインはロウに頷きロウについて行くことにする。
グレイグも町が妙に変だなので元凶を確認したいとロウについて行く。

「何かあったらすぐに戻ってくるんじゃよ?」

「えぇ、分かってるわ。必ず落ち合いましょう。」

こうして、シルビアとサラン。ロウとグレイグとブレインという組み合わせで二手に分かれることになった。

サランは孤児院のある教会へ向かうためにグロッタの町の下層へと降りていく。

「あの…シルビアさん。ありがとうございます。」

「ん?何が?」

「私の個人的な問題に付き合わせてしまったので。」

シルビアはサランの髪を撫でた。

「個人的な問題ではないわよ。あの子たちにはアタシも助けられたし。
あの子たちのおかげでアタシにとってあなたの存在がどんなものか確認させられたし。」

「シルビアさん…」

「さ、あの子たちが待っているわ!行きましょう?」

サランは嬉しくなり笑ってはい!とシルビアの後をついて行った。
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