第66章 悪夢を絶つ
魔物は眩しさから少し苦しそうに唸る。
「くそ…あと一歩のところで新鮮で極上の…絶望ディナーを食えるはずだったのに……!
まぁいい、こうなったらここにいる者を皆殺しにしてまとめてオードブルにしてくれよう!」
魔物が彼らに襲いかかる。サランがすかさず間に入って銀に輝くの膜を彼らを包むように出した。
ガチンと音がしたかと思ったら魔物の爪が弾かれる。
「サラン…?」
振り向いたサランの瞳が銀色に輝いていた。
彼女は微笑んでから歌い出す。
悪夢は続かない、絶望は光で包もう
これまでの悲しみは光で優しく包む
希望に気づいて光を灯して
絶望の中のあなたにその光を届けたい
バイキルトが全員にかかったように力が湧いてくる。
「ありがとう。サラン、悪いが下がっててくれ。」
グレイグに頷くと彼らの後ろに下がった。
魔物はグルルと唸っていた。