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月夜の歌姫

第66章 悪夢を絶つ


サランが祈るように手を組み何かをつぶやく。
まるで吸い込まれて行った、ブレインに語りかけるように。まだ、サランの体にはエレノアの魂が宿っているようだ。

スっとサランが立ち上がると戦士の体が眩い光を放った。その眩さにシルビア、グレイグ、ロウの3人は目を細める。

「なになに?何が起こっているの!?
サランは?ブレインちゃんは??」

戦士の放つ光からブレインが現れる。
サランはブレインに近づきそっと頬を撫でた。

「おかえりなさい。」

優しく微笑むその笑顔はサランの表情ではなく、1人の母…まさしくエレノアであることが分かった。

「おぉ!ブレイン。良かった…無事じゃったか!」

「お父様、まだ喜ぶのは早いです。」

サランの声を借りたエレノアが戦士を見つめる。
戦士からまた強く光が溢れ大きな魔物が姿を現した。

「ぐおぉぉう…忌々しい光で前が見えぬ…」

グレイグがブレインの前に立つ。

「貴様が全ての元凶か!
ブレイン!こいつを倒してアーウィン様の呪縛を解き放つぞ。」

エレノアがグレイグの傍に生きお辞儀をした。

「お願いします。どうか彼を救ってください。」

ブレインたちは力強く頷くと魔物と対峙した。
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