第65章 魂に呼ばれて
しばらくしてからサランはシルビアの手を離れまっすぐ何か二呼ばれるように歩き出した。
「サラン?」
シルビアが手を握ろうと伸ばすが届かなかった。
「あの人を解放して…」
サランは振り返るとそう呟きまた先へ進んだ。
4人は静かに歩くサランの後を追いかけた。
追いかけた先に広場らしき場所に出る。
サランは静かにその真ん中にいる戦士を見つめていた。
4人がたどり着くと「くちおしい」と言う声が辺りに響き周りに火の玉らしき光が辺りに灯る。
「あぁ、くちおしい」
戦士はブレイン達に気がつくとゆっくりと顔を上げる。
「おのれ…またやってきたのか。
邪悪なる魔の者たちよ…
貴様ら魔族のせいで私は全てを失った。
ゆるさん…ゆるさんぞ!」
その言葉にロウが悔しそうに声を上げた。
「この戦士はやはり…!ブレイン、こやつと話がしたい。一旦こやつを鎮めるのじゃ。」
ロウが構える。ブレインもグレイグも剣を取り出し構えた。
シルビアは何か煮え切らない表情でサランを見つめる。
戦士はブレイン達に襲いかかってきた。
「私の全てを返せえええ!」
戦士の悲痛な叫びが頭に響く。
ロウはそれでも話をするために攻撃を辞めなかった。