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月夜の歌姫

第65章 魂に呼ばれて


シルビアとグレイグとブレインが瓦礫を退かしたら、そこには地下通路へ続いているような階段が現れた。

「ロウ様…これは…?」

ロウがグレイグの隣へやって来た。
複雑な表情でロウは階段を見つめる。

「これは地下通路への入口。ユグノアに何か危機が訪れた時に城の外へ逃げるための道じゃ…
わしの読みが正しければこの先に、夢で見た戦士の手がかりがある。
さぁ行くとしようかの。」

サランはキュッとシルビアの手を握った。

「……。大丈夫?顔色悪いわよ?」

「………」

サランは何もこたえない。
ただ、まっすぐと地下通路を見つめていた。

地下通路は暗く足場が少し悪いように感じた。

「こっちじゃ…」

ロウの案内により地下通路の奥へと進んでいく。
その間もサランは黙ったままだった。

「サラン?本当に大丈夫?」

「………」

「ゴリアテ、どうかしたのか?」

グレイグが立ち止まり振り返った。

「サランの様子がちょっと変なのよ…
ずっと黙ったままで何も反応なくて。」

シルビアがチラリとサランを見る。
サランは黙り込みぼうっと前を見つめていた。
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