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月夜の歌姫

第65章 魂に呼ばれて


2人が部屋に戻ると既にご飯が用意されていた。
肉とパンと少しのサラダ

「まぁ、この崩壊した世界でこれだけいただけるなら文句は言えまい。人数分用意して貰えたのはありがたいな。」

ふぅとグレイグがため息をつく。

「そうじゃな、では頂くとしよう。」

ロウの言葉に皆が頷き食事をした。
食事を終えて少ししたらみんながベッドに入る。

みなが共通で見る夢のことが気になり、サランは眠ることが不安だった。
ソワソワとするサランにシルビアが気にかける。

「落ち着かないのかしら?大丈夫?」

「ちょっと不安で…」

「そうよね…」

シルビアは布団から手を出す。

「?」

サランはキョトンとする。
シルビアはクスリと笑った。

「覚えてる?あなた、寝る時不安になると手を握ってとよくねだってたこと。
プチャラオ村の時も握ってたでしょ?
だから、ほら。寝てる間ずっと握ってるから?」

サランは戸惑いながらそっと手を伸ばした。
ギュッと手を握られ温もりが伝わる。
その温もりに安心したのかサランはスっと眠ることが出来た。

それを見たシルビアは優しく微笑んだ。

「寝てる時の顔はほんとに変わらないわね。」

シルビアは手を握ったまま眠りについた。
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