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月夜の歌姫

第65章 魂に呼ばれて


シルビアはドアを閉めた。

パッと見で分かったのはスラリとのびた白い手足
細身の体にふっくらとついた胸やおしり

そこにしっとりと濡れた銀に輝く髪の毛
子ども扱いしていた訳では無いがいざ見た、その美しさに驚いた。

(いや、ほんとに知らなかったわけじゃないけど
改めてこう見ると…ほんとに綺麗な人になってたのね)

嬉しさや気恥しさが入り交じり顔が赤くなる。

一方見られたサランも顔を赤らめていた。
意識していない訳では無い
いつか来るその時のことも考えていた。

しかし不意に見られたことにより意識がそちらに集中する。

「「はぁ…」」

2人のため息がドア越しに重なった。


「何してるんだ?ゴリアテ?なかなか戻ってこないから何かあったのかと思ったが。」

グレイグが顔を押さえ俯くシルビアに近づいた。
シルビアは呆れたようなため息をついた。

「えぇ、いろいろあったわ…」

「そ、そうか。まぁその…早く戻ってこいよ。
サランが戻ってきたら食事にするから。」

何かを察したのかグレイグは部屋に戻って行った。
すぐに扉が開いて着替えを終えたサランが出てきた。

「あ、あのぉ…シルビアさん?」

「…あ。さっきはごめんなさい。あの…」

「覗こうと思って覗いた訳じゃないのは分かってます。私もびっくりしただけなので。」

クスリと照れたように笑うサラン。
お風呂で血行が良くなったからか頬がほんのりピンクに染まる。
その愛らしい表情にシルビアは見惚れた。

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