第65章 魂に呼ばれて
宿の部屋に入って各自過ごしていた。
ブレインは不思議な鍛冶道具で武器や防具の強化を。
ロウはグランドクロスの構えを極め、グレイグは大剣を磨いている。
シルビアは愛用の笛の手入れをして、サランは体を綺麗にすると言い宿屋の風呂場へ向かった。
わざわざ、お湯にしてくれたのかその温かみがサランを包み込む。お風呂の心地良さに気分が良くなってきたのか鼻歌を口遊みはじめた。
「あら?サラン忘れ物してるわね。」
サランがいつ落としたのか部屋にはタオルが落ちていた。
「気づかなかったのかもな?サランは考え事してたから。ゴリアテ、届けてやったらどうだ?」
グレイグに言われシルビアが「もちろん」と言い立ち上がり部屋を出た。
シルビアは更衣室前に立つとノックをする。
「サラン?タオル落ちてたわよ?
あら?まだお風呂なのかしら?開けるわよ?」
しかし返事は聞こえてこなかった。
シルビアが更衣室前にいること、タオルを忘れたことを知らないサランは体の芯から温まったのを感じるとお風呂から上がり更衣室に立った。
ガチャリと音がしてシルビアと裸姿のサランの目線がバッチリ噛み合った。
「あっ…!」
「シルビアさん!?」
シルビアはバタンと慌てて扉を閉める。
「ごめんなさい!そういうつもりはなくて…!
あの、ほら!タオル届けに来ただけなの」
サランは驚きのあまり言葉が出なかった。