第65章 魂に呼ばれて
部屋に案内されている時、カップルらしい男女が言い合っていることにサランとブレインが気がつく。
埒が明かなさそうなので2人で話しかけることにした。
「あの、ここで大声出してたら…」
サランが恐る恐ると女性に声をかけた。
「え?あなた、誰?」
「あ、えっと…私はこの宿の噂を聞いて泊まるんですけど。どうかしたんです?」
女性はハァッとため息をついてから話してくれた。
「この人ったら同じ夢を見るのが怪しくないか?
悪夢だったらって煮え切らなくて、それで泊まらないなら泊まらないでいいって言ってるのにそれもどうしようってなってて。」
そこでブレインが男性に声をかけた。
「だって、その怪奇現象だったら怖くないか?」
バツの悪そうに男性がうじうじしている。
それを見ていた女性がフンと鼻を鳴らす。
「ほら、こうやって決めてくれない。
とりあえずあなた達には関係ないでしょ?
ほら行きなさい。」
ブレインとサランは女性にしっしっと手で払われてしまった。