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月夜の歌姫

第65章 魂に呼ばれて


全員が揃うとサランが本題を切り出した。

「そういえば、これからネルセンの宿に行くんでしたっけ?」

「うむ。噂によるとそのネルセンの宿で眠ったものはみな同じ夢を見るという。」

ロウが先程、宿舎を貸してくれた船員から聞いたらしい。

「同じ夢?それは妙だな。
ひとまず今から出発すれば昼頃には着くだろう。」

グレイグが補足しそれに対してシルビアも頷いた。

「そうね、さぁみんな行きましょ?」

荷物を持ちぞろぞろと一行は歩き出した。
ネルセンの宿はそう遠くないらしい。

「みんなが同じ夢をねぇ…」

不思議に思うシルビアをサランは見上げた。

「どんな夢なんでしょうね?
悪夢じゃなければいいけど…」

ふとサランは今まで見た悪夢、命の大樹の崩壊を何度も夢で見てきた。

「大丈夫?顔色が悪いわよ?
あの時のこと?」

サランは黙って俯いた。

「大丈夫よ!それにもし本当に同じ夢だったらみんな見てるから共有できるはずよ?」

シルビアの言葉にサランは困ったように笑った。

「だといいですね。」

しばらく歩いているとそれらしき建物が見えてきた。
門あたりで女の人が掃除をしていた。
その人はブレイン達に気づくと話しかけてくる。

「おや?あんたたちも噂を聞いてここにやってきたクチだね?」

「はい、ちょっとどんな夢なのか気になって。」

ブレインがうなづいた。
女の人は掃除の手を止めず話を続けた。

「それは、実際泊まって確認しな?
5人部屋かい?それともそこの人は別の方がいい?」

サランは困ったようにキョロキョロした。

「わ、私は5人部屋がいいです。
みんなと離れるとちょっと不安で…」

「そうかい、じゃあ部屋に案内するよ。」

女の人に連れられて5人は部屋に案内された。
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