第65章 魂に呼ばれて
翌朝、目を覚ますと男の声で目を覚ます。
ムクリと体を起こし水で顔を洗う。
顔を拭いてから、声のする外へ出てみる。
何となく聞き慣れた声が何しているのか悟りサランはタオルを持って外に出てきた。
サランの予想通り、外ではグレイグとシルビアが対峙していた。
「どうしたの?グレイグ?そんなんじゃ、アタシに剣は届かないわよ。」
「ゴリアテ!貴様、真面目に戦え!これでは稽古にならん!」
大剣を大きく的確に振るグレイグに対してシルビアはしなやかにかわしてレイピアでグレイグの隙をつく。
ぴょんぴょんと軽やかにグレイグの後ろに回りレイピアでトンと背中をつついた。
「……チッ!まったく、どうしてこうなったのか…ん?」
グレイグがサランに気づいた。
「サランか、すまない。起こしてしまったか?」
「いえ、目が覚めたとこでした。」
「おはよう、サラン。」
「シルビアさん、おはようございます。」
汗が滴り少し髪が乱れたシルビアにドキッとする。
綺麗な顔にその汗がきらりと光る。
「あ、えっと良かったら使ってください。
そういえば、ブレインさん達は?」
サランは持ってきたタオルを2人に渡した。
「あぁ、助かる。2人はまだ寝ているだろう。
ブレイン達が起きたらすぐ出発しようかと思っているんだ。」
グレイグが汗に湿った額にタオルを当てた。