第65章 魂に呼ばれて
宿舎にたどり着くと船員が驚いた声を上げた。
それもそのはずだホワイトパンサーという魔物がサランのあとに着いてきたからだ。
「あ、でもこの子は人を襲いませんよ。
私がしっかり見るので一緒じゃダメでしょうか?」
その言葉を聞いた船員がうーんと唸る。
「このご時世だし、魔物が人を襲わないっていう確信や信頼がないからなぁ…」
それもそうだ、大樹が落ちてから信頼出来るものが限られているこの世界に魔物を一緒になんて言うこと自体本来おかしいのだ。
「サラン、ユキはアリスちゃんに任せない?」
「……ユキはシルビアさんの船で待っててくれる?」
ユキはもちろんとばかりにガルっと返事をした。
1度、船に戻りアリスにユキを託す。
「もしも、ユキが凶暴化したら…」
「安心してくだせぇ!その時はあっしが鎮静しやすんで!これでもあっし、腕には確かでがすから!」
アリスの言葉にお願いしますと頭を下げてからユキの頭を撫でた。
「いい子でね?」
「がぅる!!」
宿舎に戻るとサランは長かった一日にベッドに寝転んだ。
目を覚ましたら会いたかった人がいた。
その人は「ゴリアテ」という名前でお世話になった人の息子だったことにも驚いた。
そして、再会を果たしすぐに海へ出る。
そこで新たな強敵に鉢合った。
ブレインも無事に戻り、緊張の糸が切れサランはくたっとすぐに眠りについた。