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月夜の歌姫

第64章 海の覇者


巨大な角や鱗を携え、黒くおぞましい怪物がこちらを見下ろす。それは大きく威嚇するように大声を出した。

「我が名は、覇海軍王ジャコラ。
魔王様よりこの海を統べるよう賜った。
我が海をけがす、ザコどもめが…
その命、魔王様のためにもらいうける!」

自己紹介が終わるとジャコラは大きくまた嘶きする。

ロウがキリッとした表情になりジャコラを見つめた。

「おのれ…バケモノ!
わしらをなめくさりおって…
見ておれ!!」

ロウが特殊な構えをすると手の先が青白く光る。

「ぬぅぅぅおぉぉぉぉぉ……」

その光を集めたかのようにさらに構えたあとジャコラに放った。

「おんどりゃあ!!」

その光はまるで光を交差させた刃のようにジャコラに向かっていく。

ジャコラの体が赤くなりロウが放った光を弾いた。
まったく効いていないのかジャコラは不気味に笑う。

「な、なぬぅ!?
わしのグランドクロスが効かぬじゃと……!?
どうなっておるんじゃ!?」

驚くロウにジャコラは大きく声を上げて笑った。

「フハハハっ!
魔王様より授かったレッドオーブの力を使えば、そんなもの我には効かぬわっ!」

ジャコラは海からジャンプし、大きく体を回転させると再び海へ潜っていく。

「まずいわ!みんな!船に掴まって!!」

シルビアが叫んだと思ったらジャコラが船に体当たりをして大きく揺らした。

「きゃあ!」

サランがバランスを崩し海へ放り投げられたかと思った。

「サラン!」

間一髪、シルビアがサランの腕を掴んだ。
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