第64章 海の覇者
サランはシルビアのおかげで海に落ちずに済んだが、ブレインが海へと放り出された。
「ブレインさん!!
シルビアさん、どうしましょ!ブレインさんが海に!」
「サラン、今は落ち着いて!とにかくここを抜けるわよ!」
シルビアが舵を取りジャコラのいる海をなんとか抜けていく。
「なんとかして、ブレインさんを引き上げなきゃ!」
海へ向かおうとするサランの腕をシルビアは離さなかった。
「待ちなさい!今、飛び込んだところであなたまで危険な目に合うわ!」
「でも!」
「なんとかしてブレインちゃんを引き上げるわよ!」
そこへロウとグレイグがやってくる。
「しかし、この黒い海をどうやって探すんだ。
これでは絶望的だぞ。
とにかく近くの停泊所に船を停めよう。」
グレイグの提案にシルビアとロウが頷く。ブレインの救出にサラン含め4人が悩んでいると突如辺りが眩しく輝いた。
「なにこれ?」
シルビアが眩しさに目を細めていると気絶しているブレインが海の底から上がってきた。
「ブレインさん!?」
サランが彼の名前を叫ぶと船に降りてきた。
「まだ生きていたか…では!」
ジャコラの声が響きまた大きく船が揺れた。
「させないわ!」
シルビアが舵を取り船は全速力でジャコラから逃げていった。