第63章 再会と別れと再出発
その目には困惑や戸惑いが混ざっている。
「何を言ってるの?冗談とかなら怒るわよ?」
「私は本気ですよ。強くて明るく優しいシルビアさんも、こうして私のことになるとたちまち弱くなるシルビアさんも愛おしくてたまらないんです。
ずっと、言えなかったけど…私はシルビアさんと添い遂げるつもりでいるんですよ。」
サランの瞳は決意以外の何ものでもなかった。
「でも、アタシ…」
戸惑って言葉が詰まるシルビアにサランはギュッと手を握った。
それを見てシルビアも何かを決意した目になる。
シルビアがサランに渡した真珠が埋め込まれている短剣を出すとそれを少しいじる。
カチリと音がすると真珠が外れた。その真珠は指輪になっていた。
「魔王や邪神ちゃんを倒して全てが終わったら本当はこれを渡すつもりだったの。サラン…左手を貸して?」
サランはシルビアに左手を差し出した。
薬指に指輪をはめ込む。
サイズはピッタリで真珠がキラリと光った。