第61章 前を向くために
光を求めて何になる?希望があるから絶望もある
もう、シルビアだってこの世にはいない。
みんな魔王によって死ぬんだ
「そんなことない!シルビアさんだってブレインさんだって生きてる!」
水面に写る自分に向かって叫ぶのはなんだか変な気持ちだ。しかし、そんな叫びも諸共とせず話を続ける。
いいや、生きてないね。
サラン、あんたが生きてられたのはママのおかげだったんだ。
「違う!!」
違わないね。あんただけ生き残って他はみんな運が悪かったんだろうよ。
「やめて!」
自分がよく知ってるんじゃないか?
もう守る必要のない世界になってんだよ
そうでしょ?命をかけて守ったひとはサランに何もしてくれない。
母親だってきっとサランを恨んでいるよ。10数年前に死んだのが自分だったなんてって
「そんなことない!!お母さんだって私を…信じて…」
信じたくない、信じないと勢いで自分に言い聞かせていたがそんな自分を虚無に感じた。