第61章 前を向くために
サランは勢いよく飛び出したものの目の前に広がる闇に戸惑っていた。
1人で深い闇の中を歩いているとだんだんと心が暗く悲しいものになってくる。
やっぱりいやだ、お母さんもいない
シルビアさんだって本当はもういない
仲間も全員やられてしまってた
これならいっその事、世界が崩壊した時に…
このまま深く眠ってしまえたら
暗く冷たいドロっとした感情が胸にまとわりつき気持ち悪さを感じる。
そうだよ、もうこのまま永遠に眠ってればいいじゃないか!
ピチョンと水がはじける音がする。
暗闇の中にぼうっと浮かび上がったのは水面に写るかつての自分がニヤニヤと笑っている。
そんな自分がまた話しかけてきた。