第59章 闇を愛するものと光を願うもの
翼もゾルデを包むように閉じると目を開けてられなくなるほどの光を放った。
「サラン!!!」
ジエーゴの叫び声がシルビアと重なったように聞こえふと、シルビアを思い出した。最後に思い出したのがシルビアでよかった。そう思い涙が溢れる。
体が熱く、でもどこか優しい温もりみたいなものを感じると意識が消えていった。
記憶のどこかでゾルデの断末魔が聞こえた。
「近づくな!やめろ!我に…汚らわしい光が!」
光が消えたと思ったら、パタンとサランの体が地面へ倒れる。しかしゾルデは瀕死になりながらも立ち続けていた。
「フフフフ…フフ。我の愛する闇が…消えて行く。
汚らわしい光が体に…! 」
ゾルデはやっとのことで腕を動かしその場を闇と共に去っていった。