第59章 闇を愛するものと光を願うもの
その隣でジエーゴも剣を手にかける。
ゾルデはゆっくりと手を挙げサランを指さした。
「我は思う、そなたから光を…
闇が広がる夜ですら光を与える…哀れな者よ
魔王様は闇をお望みだ。ならば我が手で光を消し去る。我の命、尽きるまでこの地に光は戻らぬ」
ゾルデが言い終わるや否やサランは走り出し両手に持った扇でゾルデを攻撃する。
「ふん…せい!」
ゾルデはサランの攻撃を両手の剣で受け止めなぎ払った。
「……きゃあ!」
なぎ払われたサランはドサリと地面に倒れる。
「サランさん!」
先程ゾルデと戦っていた騎士達がサランの元へ駆け寄った。
「大丈夫です…かすり傷だから」
サランがすぐに立ち上がると騎士たちもホッとした。