第1章 孤児となった少女
街をぬけて丘を越える。
丘を越えた先を馬が歩いてく。
「お母さん…」
少女の頬に涙が流れた。
「うわぁぁぁぁぁ!おがあじゃん!!おがあじゃん!!」
堪えきれずに涙と声が溢れてくる。
それでも進まなければ生きられないことはなんとなく察しているから馬の歩みは止めない。
少女は以前、母親に教わった通りにした。
キャンプ跡地まで行けるなら進みなさい。
女神様のお力で魔物が近寄れないから夜はそこで休みなさい。
少女はキャンプ跡地に着くと馬を木に繋ぎキャンプ跡地に残っていた炭に火を点け暖を取り眠りについた。
サラン9歳の頃の話。