第57章 歌姫とホワイトパンサー
それと同時に責任感や罪悪感懺悔にも似た感情を抱く。やはり自分がホメロスを止められてなかったばかりに苦しい世界になってしまった。
「ところでお前さんはこれからどうするんだ?」
「え?」
「目的とかはあるのか?やらなきゃいけないこととか。ただフラフラ放浪してる訳ではないだろ?」
ジエーゴの言う通りだ。ここで足踏みをしている場合ではない。叶うなら
「彼らが生きてるなら…散り散りになった仲間とまた再会するために、情報とか集めながら困ってる人を助けに行こうかと…」
「なるほどな。すぐに行くのか?」
「いえ…それはまだ厳しいかと…」
「だったら、少しの間ここにいたらいい。
空き部屋があるから良かったらそこ使ってくれて構わから。」
ジエーゴはそう言うとセザールを呼び付けた。
「はい、ご主人様。どうされましたか?」
「こいつに部屋をひとつ貸すことにしたから」
「かしこまりました。ではどうぞご案内致します。」
セザールに案内されサランは一室に通された。
「ここなら、お好きなように使ってください。
必要なことがありましたら、なんなりと私めにお申し付けください。」
「ありがとうございます。しばらくはお世話になります。」
セザールがぺこりと頭を下げてから部屋を出ていった。
「ふぅ…ユキ、おいで?」
サランに呼ばれユキがサランのそばにやってくる。