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月夜の歌姫

第56章 崩壊


サランはユキを追いかけ虹の橋を歩いていく。
ユキが突然立ち止まり威嚇をした。

「ユキ…!急にどうした…の」

ユキが威嚇する相手が分かった途端息を飲んだ。

「なぜあなたがここに!?」

長い金髪をなびかせ、銀に輝く鎧には双頭の鷲。

「おやおや、貴様か…それは簡単な話しさ。
悪魔の子、勇者を打ちに来たからだ。
ここに貴様が来たことは実にラッキーだ。
貴様が勇者といると少々厄介だったからなぁ。」

ホメロスはそう言うと懐から何かを取り出した。
それは闇を纏ったように禍々しいオーラを放つ。

「オーブ?」

「さぁ、月の女神の守護者よ。
闇に落ちるがいい。」

「月の女神の守護者!?なんのこと!?」

「おや?まさか知らないとは…」

ホメロスは可笑しそうに笑いだした。
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