第53章 双子のふるさと
虹色の枝が見せた祭壇はどうやら、この先にある始祖の森の山頂あるらしい。
まずは長老に挨拶をしようとセーニャが提案した。
里を進むと赤子を抱いた女性と男性と老人がなにやら儀式をしているところに出くわす。
それは洗礼の儀式を執り行われていたところだった。
長老が振り向くとベロニカとセーニャに気づいた。
「おぉ!双賢の姉妹ベロニカとセーニャではないか!
いつからそこにおったのじゃ?」
2人は長老に挨拶をして勇者を連れてきたと話す。
長老は赤子の洗礼の日に勇者が来たことを喜んでいる。
話をしていると長老はサランのことが気になったのかブレインたちから離れ近づいてきた。
「ふむ、これは珍しい方がいらっしゃったな。
あなた様はどうやら数奇な運命を背負っていらっしゃるようですな。」
「は、はぁ…?」
サランはキョトンとしていた。
何を言っているのだろうかとよく分かってはいない。
「えっと…それは、不幸体質ってことですかね?
心当たりがよくありまして…」
あははと苦笑いをするが長老は首を横に振った。
「いやいや、そうでは無いです。
勇者様とは別な不思議な力をあなた様は秘めている。
それがサラン様あなたを苦しめるかどうかは分からぬが、なぁに心配することはないですな。」
シルビアをちらっと見る。
何かが分かったのか優しく長老は微笑んだ。
「もしも、不思議な力があったとしてもそれは使い方次第。迷った時は周りを見てくだされ。きっと悪い物にはなりません。ではみなさま、オーブが6つ揃いましたら大聖堂まで来てください。」
長老は振り返り大聖堂へと歩いていった。