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月夜の歌姫

第52章 鍛錬を重ねて


「やっぱり経験がモノを言うわね!」

ベロニカがフンと満足気に鼻を鳴らす。
サランはちらりとシルビア達の方を見た。

しかし、シルビア達は既にそこら一体の魔物を狩り尽くしてゼーランダ山の麓へと先に行ってしまっていたみたいだ。

「もう、みんな早いんだから!! 」

ベロニカが腕を組みプンプンと怒った。
それほどみんな知らず知らず強くなったんだとマルティナは笑う。
4人は早く追いつこうとブレイン達を追いかけた。
ブレインたちは岩陰に待機して待っていたと振り返った。

「今から、サイクロプスに相手してもらおうと思ってたの。」

3mはあろうか青い巨体に一つの大きな目。棍棒を片手にドシドシと歩いている。

「あんな強そうな魔物倒せるのでしょうか?」

「大丈夫よ!今のみんな強いもの!」

サランの心配をよそにシルビアはグッと笑った。

「じゃあ行くよ!」

ブレインが岩陰から飛び出しサイクロプスの足を切りつけた。それに続いてみんなもぞろぞろと出てくる。サイクロプスは何が起こったのか分からないという顔をしていた。
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