第51章 暗躍ホメロス
「それからだんだんそれが明確になってきて、ひとつの可能性というより未来予知じゃないかなって思うようになって…その時ある人がいたんです。
誰か分からなかったんですけどさっき…ホメロスという人がはっきりと…」
その言葉に2人はハッとした。
「ホメロスじゃと!?」
「ブレインさんは分かると思うんです。
ダーハルーネでクラーゴンを操って襲わせたのも彼でした。それにヤヒムくんのホメロスさんが魔物と話をしていたとこを見たと。あの子が嘘をつくとは思えないし、嘘つきだとしても喉を潰す理由があるわけがないです。デルカダール兵の軍師ともなれば誤解を解くのなんて容易いと思うし、事実だから喉を潰した…。」
ブレインは確かにとうなづいた。
「ふむ…他に何か見たことはあるのかの?」
サランは少し俯き考えてから思い出す。
「ホメロスさんはあくまで魔王では無いと思います。
多分、魔王ウルノーガはもっと別の人…。
私が見たのはそれくらいです。
…でもあんまり鵜呑みにしないでください?
私の夢とか幻とかかもしれないですし、未来予知なんてしたことも無いですし…」
サランは困ったように苦笑いをした