第5章 ファーリス杯の前夜
サーカスに戻るとニコスが慌ててサランの元へと走ってくる。
「サラン!どこに行ってたの!?大変よ!!??」
「な、何が?」
「シルビアねぇさんがね!レースに出ることになったの!!」
「え?」
「もちろん!応援に行くよね!行こう!?」
サランの戸惑いもお構い無しに話が進んでいく。
「レースって、でもどうして?あのレースは有力な国兵しか出さないって」
「なんでも状況が変わったのよ!」
「そう…なの…」
ニコスがキャーキャー騒いでいるとシルビアがやってきた。
「こら?ニコスちゃん〜?そろそろリハーサルが始まるわよ〜
あ、サランちゃんも戻ってたのね!」
シルビアはなんでもないようないつもの涼しい顔をして2人を引っ張っていく。
(やっぱり…シルビアさんにとって私はなんでもない1人のナカマ…ってやつよね)
なぜ自分がショックを受けてるか理解ができないと思いつつ、サランもリハーサルへと向かった。