第46章 怪我した子
自分の準備が終わると今度はスノーベビーに巻いた布をゆっくり取る。足の傷は少し痕が残ったものの元気に歩くには支障が無い程度には回復していた。
「もう、これなら安心じゃ。
この先に確かスノーベビーの生息地を通ると思うから
その辺で仲間に返してやろう。」
ロウもよかったよかったとにこやかに笑った。
「それじゃあ、古代図書館に向かいましょう。」
エッケハルトはみんなが準備を終えたのを確認すると道を進んだ。スノーベビーはサランの足元をちょろちょろ、ぴょんぴょん歩く。
「なんか、すっかり懐かれてますね。サラン様。」
セーニャがスノーベビーの様子を見ながら微笑む。
「うーん…懐かれると別れるのが辛くなるし、早く仲間や家族の所に戻るほうがいいんだけど…」
立ち止まると足元をすりすりと顔を寄せるにサランは苦笑いを浮かべる。