第46章 怪我した子
翌朝、湿ったざらざらする何かが頬を撫でその違和感にサランは起きた。
「うみゃあ」
目を開けるとそこにはスノーベビーが好奇心の瞳を輝かせサランの上に乗っていた。既に皆は起きており図書館へ向かう準備を進める。
「あら、サラン?おはよう。ふふ、遅いわよ?
その子もあなたが起きるのを待っていたみたい。」
マルティナが焚き火の後始末をしていた。
「おはようございます。うぅまだ眠い…。」
ムクリと体を起こすと胸元に乗っていた、スノーベビーがバランスを崩しコロンと転がる。
「あ、ごめん。」
スノーベビーを持ち上げ立て直す。
「みゃう」
サランは立ち上がり出発する準備を早々と進める。
その様子をスノーベビーが見守っていた。