第46章 怪我した子
スノーベビーはサランの膝の上でゴロゴロと喉を鳴らす。
「ひとまず、今日はこの辺で一晩泊まるとしよう。
古代図書館までは朝に出発すれば昼前には着くだろうし。急ぐことも大事だがこの辺はすぐに吹雪いてくるから、安全も確保しながら進もう。」
エッケハルトが岩に腰を下ろした。
「そうね、またはぐれたら大変だわ。」
シルビアもその場に座り愛用の笛を磨き始める。
その夜は各自、好きなように過ごす。
サランはふんふんと口ずさみながらスノーベビーのたてがみを撫でる。スノーベビーはどこか安心したような顔つきでスヤスヤと眠っていた。