第45章 英雄と魔女と勇者と
双頭の鷲のマーク。
デルカダールの隊長のマークだったと言うことを知ったサラン。しかし、グレイグという男が破滅へと繋がってないような気がす…。
『私はデルカダール王の右腕、ホメロス』
ダーハルーネで似たようなマークの男を思い出した。
ガバッと起き上がると、どことなく倦怠感で体がまたベッドに沈む。
(そういえば、私なにしてたっけ?)
グレイグという男が魔物を切りつけこちらに向き直ったのは分かる。そこからの記憶が断片的で思い出せない。
がチャリと扉が開きシルビアが入ってきた。
「あー、良かった!気がついたのね!」
「あぁ、シルビアさん…ん?」
(あれ?声が出せる。)
シルビアもそれには少しびっくりをした。
「サラン?声治ったのね!」
「ほんとだ…あ、あ、あー。
シルビアさん!声が戻りました!」
「よかったわ!」
シルビアが手放しに喜んでくれる。
「シルビア?サランの様子は?
おぉ?すっかり良さそうじゃねぇか。」
カミュ始め、みんながぞろぞろと入ってきた。
「カミュさん!それにみなさんも!無事だったんですね!」
サランが嬉しそうにみんなを見回す。
「おや?もう、体は大丈夫なのかい?」
突然見知らぬ年取った男が入ってきた。