第45章 英雄と魔女と勇者と
ヒュっと音がなったと思ったらグレイグの足に氷がまとわりつく。
「なんだこれは!?貴様の仕業か!!」
グレイグは足の自由を奪われる。
すると、妖艶で色っぽい大人の女性の声が空から降ってきた。
「うふふ、ようやく捕まえたわ。英雄グレイグ。」
パッと声のした空をグレイグとブレインは見上げる。
サランは分かっていると言わんばかりにゆっくり振り向いた。
氷の魔女が空からゆっくり降りてくる。魔女は光の膜に包まれた2人とグレイグを見つめる。
「あら?ずいぶん可愛い子がいるのね~。でも、その2人に用はないわ。ただ…早めに始末した方が都合がいい気もするけど。まずは、グレイグ。あなたを氷漬けにすれば、私を解放してくれたあのお方との約束を果たせる。」
氷の魔女はグレイグに近づき胸元にあるペンダントを奪い満足気に笑った。
「あの方とお揃いのペンダント…!」
意識が安定しないなか、サランは会話をじっと聞いていた。
(お揃いのペンダント?でもあのペンダントって隊長になった人が持つっていうペンダントじゃなかった?)
「なんだと…?」
グレイグが睨みをきかす。
「はぁ…英雄と呼ばれた男も呆気ないわね。
ふふ、まぁ3人仲良く氷漬けにしてあげるからいいけど」
魔女が魔法を手に宿しグレイグ達に放とうとする。
「ブレイン!サラン!」
どこからともなくベロニカの声が響き火の玉が魔女の首元に当たる。