第44章 氷に包まれた都市
扉を開けて中へ入るとみんなが、その奇妙な光景に言葉を失う。なんと、氷漬けになっていたのは正門だけでなく町も人も動物もだった。
「なによこれ…人も町もみんな凍ってる…」
「ほら、お姉様!やっぱり私の言った通りでしたわ。
みんな寒くて凍っちゃったんですよ!」
ベロニカに得意げにセーニャが反撃すると、ベロニカは悔しそうに納得いかないような表情を浮かべる。
「瞬、間…凍…結。」
サランがボソリと可能性をつぶやく。
「人間…は…カチコチに…なる…前に…凍死…する。
自然…の、寒さで…凍結…するなら…
今…この、瞬間…私…たちも…凍ってる。」
「お主の言う通りじゃ、いくら雪の都と言えど寒さで町が全て凍るなどありえん。
ひとまず、町の中を調べるとしよう。」
ロウもサランに頷き全員で町を回ることにした。
町を歩いていると、やはり人々はその瞬間に凍らせれたのが今この瞬間からでも動き出しそうだった。