第44章 氷に包まれた都市
一通り町を歩いていると焚き火の前に生きている女性をみつけた。女性は何やら真剣に本を読んでいるみたいでこちらに気づかない。
ふと、何かを感じたのかこちらを1度チラリと見てからまたこちらを見た。
「はっ!?…す、すみません。気が付きませんでした。まさか旅の方が訪れるとは思わなかったので…」
「サラン?どうしたの?」
女性に何かを感じたのか、サランはシルビアの後ろに隠れた。彼女はシルビアの問いかけに首をふるふると横に振るだけ。
(なんかよく分からないけど、紫のモヤっぽいのが見える。なんだろう?でもいいものではない気がする。)
「あなたは無事なようね、どうして町が氷漬けになったか教えてくれない?」
女性はベロニカに説明をしてくれた。
女の名前はシャール。クレイモランの女王であること。先代王は1年前に亡くなられたと。そして町が凍ってしまった理由は魔女が現れ、その魔女が町を凍らせたと。
「随分ひどいことするのねその魔女…私の呪文でもこの氷を溶かすのは難しいわ。」
ベロニカがフゥとため息をついた。
「魔女退治に外国救援部隊を派遣してもらったのですが、苦戦しているのか音沙汰がなく…。」
ベロニカがブレインを見つめ協力しようと提案する。