第44章 氷に包まれた都市
ロウがその一連を見て髭を撫でながら考え事をする。
「ふむ、確かに凍っておる…以前来た時はこんなことになっていなかったのじゃが…。正門から入ることが難しいのぉ…よし、他に出入口がないか探してみるとしよう。」
みんなでうろうろと手分けして探していると右側に男の人が立っていた。
「あら?そこで何を?あなた、この国に入る方法分かるかしら?」
シルビアが男に話しかける。
「あ?俺か?俺は配達員だ。
クレイモランに手紙を届けに来たんだが…この有様さ。西側に裏門を見つけたんだが鍵がかかって入れなかったんだ。」
「あら、そうなの…ありがとう。」
男の言う通りに、西側へと向かう。
「あ…うさぎ…!」
裏門回りをちょこちょこ歩くうさぎにサランは近づいた。しゃがみこみ手を優しく差し出すとうさぎはその手をクンクンと嗅ぐ。
「あ、これ裏門じゃない?
それにこのマーク!」
ベロニカが扉をじっと見てなにかに気がついた様だった。扉にはブレインが持つ魔法の鍵と同じ形のマークが描かれている。
「その鍵でこれも開けられるんじゃない?」
ブレインは懐から鍵を取りだし鍵穴に差し込む。カチャリと音がなり扉が開いた。