第42章 自分に出来ること
数日間
みんなのおかげでサランはすっかり元気になった。依然として声はあまり出せていないが。
「旅のお方、もう行かれるんですか?」
宿屋の女将が受付から声をかける。
それに対してカミュが振り返った。
「あぁ、部屋を何日も貸してくれて助かったぜ。
ありがとな。」
「いえいえ、助けられたのはこちらです。
行方不明の皆様を助けていただき黒幕も倒されて。
なんとお礼を申したら。」
女将が頭を深々と下げる。
「いいんじゃよ、ワシらが勝手にやったことじゃ。
それじゃあ、ワシらは行くとしよう。」
ロウがにこやかに頷いてからみんなの方を見る。
みんなもうんうんと頷き宿を後にした。
「この…後は…どうする…ですか?」
なかなか声が出しにくい喉で喋るのは違和感がある。
「ふむ…メルトアが持っていた鍵でバンデルフォン地方にある宝物庫が開けられると思うんじゃ。
まずはそっちに行ってみるとしよう。」
ブレインがサランに鍵を見せてくれた。