第42章 自分に出来ること

ヒクヒクと子どものようにしゃくりを上げながらサランは泣いている。

｢…アタシ達が来るまで良く頑張ったわね。｣

サランのおでこに柔らかく少し湿った何かが触れる。
何が起きたのか分からないサランはキョトンと固まった。

｢これはご褒美とアタシからのお詫びよ。まだこっちには出来ないけど邪神ちゃん倒してみんなに笑顔が溢れるまでおあずけね。｣

シルビアは親指でサランの唇を撫でる。
あまりに唐突すぎて、本当に声を失った。
妖艶に微笑むシルビアの顔はやはり綺麗だ。

（そんな、急にずるいよ…）

サランの顔が真っ赤に燃える。
その様子を見てシルビアはまた愛おしそうにサランを見つめていた。