第42章 自分に出来ること
「わ、私…ずっと…こわかった…
ブレイン…さん…みたいに…勇者…じゃない
セーニャさん…のように…回復…魔法得意…じゃないし
カミュさん…みたいに、器用じゃない
ベロニカさん、ロウさん…みたいに魔法が…強くもないから…
マルティナさん…みたいに、武闘が…できる…わけでもない…から」
「そんなことないわ、確かにあなたはみんなと違う。
でも、それってみんなからしたらあなたも特別だとは思わない?
アタシだってみんなみたいに特別得意なことはないわ。
カミュちゃんだって魔法はあまり使えないしセーニャちゃんやベロニカちゃんも体術は出来ない。
アタシたちはみんな自分が出来ることをやるだけ。
だから、あなたは弱くないし何も出来ないわけじゃないわ。」
シルビアの言葉にサランはさらにポロポロ泣き出した。
ずっと弱いままだと思っていた。
メルトアと1人で対峙した時も1人では何も出来ず1人飲み込まれるかと怖くて怖くて仕方なかった。
誰も助けに来ないでと思いながら絶望していたか。