第41章 枯れた声
生きるのに必死で何も信じられないようなあの目。
恐怖で震えていたあの子がみんなを守りたい、力になりたいと自分の喉を潰してまで声を出し続けた。
「もう、子どもじゃないのは分かってたけど。」
どこに行くにも自分の後ろをついて歩いて、サランは栄養不足のためだか年相応の子にしては小柄だった。
歌姫として力を発揮してからもシルビアも意識しなかったわけではない。
最初は姉(兄)として慕われてたらそれでよかった。
だけど膨らむ感情にシルビアは見て見ぬふりをしていた。
サランは自分にとってとても大きな存在になったと、自分の気持ちを見つめ直してようやく告白することが出来た。
だからこそ大切に絶対に守るはずだったのに…