第41章 枯れた声
しばらくするとコンコンとドアがノックされる。
ノックされたあとセーニャの声が響いた。
「シルビア様。ただいま戻りました。」
「あぁ、セーニャちゃん?どうぞ入って。」
扉を開けてからセーニャがそこそこの荷物を抱えてやってくる。
「多用してしまうとお体に障るかと思うのですが薬草を少々、それと呪いとかではないとおもいますがもしも喉に異常があった時のためにまたさえずりのミツを作りましたので。」
「あら?こんな所に湧き水ってあったかしら?」
「あ、いえ…以前ダーハルーネで作った時にその湧き水を予備として持っていたのです。」
「そう、ありがとうセーニャちゃん。」
「あと、くれぐれも薬草を多用して無理やり回復させることはサラン様の体にも負担がかかると思うのでゆっくり時間をかけるようにしてください。」
「ふふ、分かったわ。」
セーニャから荷物を受け取り近くに置いておく。
「あの…シルビア様」
「ん?なぁに?」
「どうか、自分を責めないでくださいね」
セーニャは、そう言い残すと部屋を後にした。