第40章 喉を枯らしても
それと同時にカミュとセーニャがハッと正気を取り戻す。
「おい、なんで俺お前と戦ってるんだ?」
「あら?お姉様?何をなさって…」
その様子にベロニカたちは喜んだ。
「もしかして…!」
シルビアはやっぱりと微かに聞こえてくるサランの声を聞いた。
サランの表情は苦しそうに歪んでいる。
しかし、サランは歌うことを辞めようとはしない。
何か嫌な予感がしたシルビアは叫んだ。
「サラン…!歌わないで!もう、大丈夫だから!」
それでもサランは歌うことをやめない。
「どうやら、早くこいつを倒した方がいいな。
あいつ(サラン)が動きを止めてくれてる今がチャンスだ。」
カミュはシルビアの肩をポンと叩いた。
カミュの言葉にシルビアは決意を硬めメルトアに向き直った。