第39章 少女メルの正体
ついにメルの待つ頂上へとやってきた。
ベロニカが指を指し追い詰めたわよ!と叫ぶ。
しかし、メルはたじろぐことなく不気味に微笑んでいる。
「追い詰めた…だと?カカカ、何を勘違いしてるのやら。
わざわざエサの方からディナーの皿へ乗りに来ただけというのに…
本当に馬鹿な子どもよのう…
お前もそう思うだろ?」
メルの視線の先にはぐったりと吊り下げられたサランの姿があった。
「おいおい、マジか…あいつ息してんのか?」
カミュはヤバいなと冷や汗をかく。
その隣でシルビアは声を出せずにいた。
「…サラン。サラン!聞こえる!?」
ようやく絞り出した声にサランはピクリと顔を上げる。
顔を上げるだけでも精一杯で力無くシルビアを呼ぶ。
「シ…シル…ビア…さ…」
ハァハァと小刻みに息をしている彼女は苦しそうだった。